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2011年4月14日 (木)

前提:寄宿舎の現状

寄宿舎の本来の設置理由は、教育庁の言う通り「通学困難の解消」による児童・生徒の登校保障でした。

まだ養護学校の数が少なかった時代には、登校のために「入舎(寄宿舎に入ること)せざるを得ない」児童・生徒がほとんどでした。

時代が下り、養護学校の数が増え、スクールバスが配備されるようになると、元来あった「通学困難」は少なくなっていきます。

一方で、学齢期の子どもたちが集団で生活を送る中で得られる教育的な意義が見直され、次第に「教育的入舎」といわれる形態が主流になっていきます。

寄宿舎としても、より教育的な意義を模索していきます。

その過程で、完全な自立を目指す厳しい訓練的な指導をしていた時期もありましたが、様々な実践と検証、舎生(入舎している児童・生徒)の実態を踏まえ、豊かな生活から多くの経験を積む場となっていきました。

さらに時代が下ると、児童・生徒の重度化が進み、それぞれの実態に合わせた実践を模索していきます。

その流れの中、家庭環境が整わない(母親の妊娠・出産、ひとり親、親の就労など・・・)ことで登校が難しい児童・生徒を寄宿舎で受け入れるケースが増えてきました。

いわゆる「家庭事情」による入舎です。

時代により主なニーズは変わりつつ、寄宿舎は障害のある子どもたちの生活力の向上と社会性の涵養を目指してきました。

しかし、平成16(2005)年に都教委が示した「東京都特別支援教育推進計画」では、「寄宿舎の再編整備」の名の元に寄宿舎削減(11→5)が打ち出されました。

寄宿舎での実践や現状を無視し、あえて「本来の」設置理由である「通学困難」に入舎理由を限定することで、寄宿舎の役割は終わったと説明しています。

実態は、財源確保と経費節減のために、知名度が低い寄宿舎をつぶすということに他なりません。

保護者が立ち上がっての反対運動や署名活動なども空しく粛々と廃舎は進められています。

寄宿舎に代わる施設や制度もないままにです。

それが寄宿舎を取り巻く現状なのです。

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